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バスケ,読書,エンジニアリング,お酒

バスケ ワールドカップ 日本対ドイツ戦を見て思った事

ゲーム展開はFIBAパワーランキング通り

FIBAのワールドカップ2023パワーランキングで日本は26位、ドイツは2位。ドイツが2位なのは過大評価の気がしないでもないが、徹底的に富永をマークして、ホーキンソンをファールトラブルに追い込んだ辺り、勝つべくして勝つゲーム展開をデザインしていた。FIBAが八村不在の日本にとって得点源と書いた冨永をきっちり抑え切ったのは流石。

体格で劣る日本はペイントでなす術無しで、相手の2P成功率は71.8%と好き勝手やられた。対する日本の武器にしている(?)3P成功率は17.1%と全く対抗できず。フリースロー成功率も64.7%では勝てる理由が見当たらない。小さい選手がフリースローを外していては、どこで点を取るのだろうか。

徹底マークされた冨永を得点に繋げる選択肢の少なさが目立った。オフボールスクリーン一辺倒で、他のパターンがなかったのはホーバスの無策か、冨永のバスケIQなのか、、、

www.fiba.basketball

冨永の3Pのステップが秀逸

唯一富永が3Pを決めたのは4Qの終盤。勝敗が決まった時間帯とはいえ、学ぶべき事が多いプレーだった。

youtu.be

ドリブルからプルアップ3Pを両足のジャンプストップで打っている。1,2で止まるのに対して安定して早く打てるメリットがある反面、バランスを取るのが難しいストップである。両足ストップで止まらないと打てないほど強いプレッシャーがかかっていて、難しいシュートを決めるあたり流石富永と言わざるを得ない。体格に劣る選手は必ず身につけたい技術だ。

バランタイン17年

まさに17年の時を飲む

www.ballantines.ne.jp

柔らかく香るバニラ香。バランスが良くひたすらまろやかな味わい。まろやかさの中にもスモーキーさも感じられて至福のひと時。 これがAmazonで6000円ちょいで買えるなんて衝撃😳

スマホ脳 アンデシュハンセン

要約

スマホは脳の報酬系をハッキングし、スマホ中毒に仕向けるよう研究を重ね進化している。スマホの悪影響はブルーライトも当然ながら、SNSや動画のコンテンツも同様である。スマホは便利なものである一方、健康に生活するには適切に距離を置くべきである。スマホの中の世界と目の前の世界、どこに価値のある空間が広がっているのだろうか。デジタル時代に創造された新たな魔物と正しく付き合う強い心が、この時代を幸せに生き抜く術である。

メモ

  • 感情というのは自分を取り巻く環境への感想ではない。周りで何が起きているかに応じて、体の中で起きる現象を脳が反応としてまとめたものだ。
  • ネガティブな感情はボジティブな感情に勝る。人類の歴史の中で、負の感情は脅威に結びつくことが多かった。
  • 強いストレスや心配事があると、それ以外のことを考えられなくなるのはこれが原因だ。
  • 人間は新しいもの、未知のものを探しに行きたいという衝動がしっかり組み込まれた状態で生まれてくる。
  • 報酬システムを激しく作動させるのは、お金、食べ物、セックス、承認、新しい経験のいずれでもなく、それに対する期待だ。
  • 脳にしてみれば、もらえるまでの過程が目当てなのであって、その糧老いというのは、不確かな未来への期待でできている。
  • ドーパミンの最重要課題は、人間に行動する動機を与えることだ。
  • SNSは何か大事な更新がないか、いいねがついていないか確かめたいという欲求を起こさせる。
    • 不確実であればあるほど効果が強い
  • アプリが極力効果的に脳の報酬システムを直撃し、最大限の依存性を実現するために行動科学や脳科学の専門家を雇っている。
  • Facebookのいいね機能を開発した人物でさえ、SNS中毒を怖がっている。
  • ビルゲイツは子供が14歳になるまでスマホは持たせなかった。
  • 常に気が散る人はほぼ確実に脳が最適な状態で動かなくなる。
  • スマホを教室の外に置いた学生の方が、サイレントモードにしてポケットにしまった学生よりも良い結果が出た。
  • スマホの魔力に抗うために脳が全力を尽くしていると、他の作業をするための容量が減る。
  • パソコンでメモを取らせた生徒よりも紙で書いた学生の方が講義の内容を良く理解していた。
  • 記憶するためには集中しなければいけない。
  • マルチタスクというのは理解が悪くなる上に時間もかかる。
  • 美術館で写真を撮っていない作品は良く覚えていたが、写真を撮った作品はそれほど記憶に残っていなかった。
  • 素早いクリックに溢れた世界では、それが忘れ去られている危険性が高い。Webページを次から次へと移動している人は、脳に情報を消化するための時間を与えていない。
  • 会話時に、視界にスマホがあった人たちはあまり楽しくなかったうえに、相手を信用しづらく共感しにくいとも感じていた。
  • 上の結果は、ドーパミンが何に興味を向けるべきかを支持していたのだ、対面の相手ではなくてスマホに。
  • 目の前にスマホを置いていると相手と一緒にいるのが少しつまらなくなるのだ。
  • 熱心にスマホを使う人ほどストレスに問題を抱えている率が高く、鬱状態のあるケースも多かった。
  • スマホを頻繁に取り出して見る人ほどストレスを多く抱えていた。
  • スマホが及ぼす最大の影響はむしろ時間を奪うことで、鬱から身を守るための運動や人付き合い、睡眠を十分に取る時間がなくなることかもしれない。
  • 睡眠不足は人間の機能も低下させる。1日6時間以下の睡眠が10日続くと、24時間起きていたのと同じくらい集中力が低下する。
  • 眠りにつく時間を体に知らせるのはメラトニンというホルモンの働きで、ブルーライトメラトニンの分泌を抑える特殊な効果がある。
  • 人間はブルーライトで元気になってしまう。
  • スマホを寝室に置いている子供の方がそうでない子に比べて1時間も睡眠が短かった。
  • 私たち人間が生き延びるのを助けたのは、食べ物とゴシップだった。
  • 私たちはSNSに1日30分以上もかけている。20歳が80歳になる頃には、人生の五年間をSNSに費やす計算になり、そのうちの3年近くがFacebookに当てられる。
  • セックス、食事、人との交流に反応する領域が、私たちが大好きな話題つまり自分自身のことを話しているときにも活性化する。
  • SNSを熱心に利用している人と安知の方が孤独を感じていることがわかった。
  • 珍しいバカンスや高級グルメの写真に集中砲撃されると、短時間でも人生への満足度が下がる可能性がある。
  • ある期間にSNSに費やした時間が長かった人ほど、その後の数ヶ月間、人生に対する満足度が下がっていたのだ。
  • Facebook上の友達が多い人はみんなに支えてもらっている、人生の満足感もましたと感じている。さらには自信もついた。との研究もある。
  • SNSの使い方が重要で、自分は写真をアップしないし議論にも参加しない消極的なユーザは積極的なユーザーよりも精神状態が悪くなりやすい傾向がある。
  • 社交生活の代わりにSNSを利用する人たちは、精神状況を悪くする。
  • 自己評価が低く自信がない人は、SNSのせいで精神状態が悪くなるリスクを抱えている、自分を他人と比較しがちだからだ。
  • 映画のスクリーンやパソコンのミニターで何かを見ても、他人の考えや気持ちを本能的に理解する生物学的メカニズムに同じだけの影響はない。
  • Facebookの元副社長はインタビューでSNSが人々に与えた影響を悔いていると発言した。私たちが作り出したのは、短絡的なドーパミンを原動力にした、永遠に続くフィードバックのループだ。
  • 10万件以上のニュースを調査したところフェイクニュースの方が多く拡散されていただけでなく、拡散速度も速いことがわかった。
  • SNSを制限する実験を行ったところ、制限したグループは精神状態が改善していた。
  • この研究のポイントは、被験者たちがSNSを完全にオフにしたわけではなく、時間を制限しただけで調子が良くなったことだ。
  • 減らすだけでないく一時的に止めたり完全に止められるならもっと良い効果を得られるだろうと思う。
  • 人生に満足を感じ、ストレスが減り、自分の周りの人たちと顔を合わせる時間が増えたという。
  • 事態の奥にある前頭葉は衝動に歯止めをかけ、報酬を先延ばしすることができるが、成熟するのが一番遅いこともわかっている。25-30際になるまで完全には発達しないのだ。
  • 衝動にブレーキをかける脳内の領域は、ポテトチップスを我慢させるだけではない。スマホを手に取りたいという欲求も我慢させてくれる。
  • 普通に遊ぶ代わりにタブレット端末やスマホを長時間使っている子供は、後々計算や理論科目を学ぶために必要な運動技能を習得できないと警告している。
  • 将来もっと起きなご褒美をもらうために、すぐ飲みら得るご褒美を我慢するのは非常に重要な能力だ。
  • 複数の調査でわかっているのは、よくスマホを使う人の方が衝動的になりやすく、報酬を先延ばしにするのが下手ということだ。だが、それは衝動的な人がスマホをよく使うだけの可能性もある。
  • 3ヶ月スマホを使用した後、一連の使用した後、一連のテストを行い、報酬を先延ばしにするのが前より下手になっているのがわかった。
  • 米国の研究者がある授業で子供達を観察したところ、スマホを持っていない子供の方がよくノートを取っていた。それも、かなり。その子たちの方がよく学んでもいた。
  • 同じ小説をタブレットと紙で読ませる実験の結果、紙の書っ席で読んだグループの方が内容をよく覚えていた、同じ小説を読んだのにだ。
  • 子供も大人もスマホによって学習を妨害されている。
  • スマホを禁止した結果、勉強で苦労していた生徒とたちは特に成績を伸ばした。
  • 毎晩9-11時間眠っている子供の結果が良かった。運動をしている子供も同様であった。
  • 子供たちが能力を発揮するには毎日最低1時間の運動と9ー11時間の睡眠、スマホの使用は1日最長2時間まで。達成できている子供はたったの5%
  • スクリーンの前にいる時間が長いほど不眠になる。
  • SNSやネットサーフィン、YouTubeにゲーム、スクリーンの前にいる時間が長いほど幸せではないと思う率が高い。
  • 調査では、子供よりティーンねージャーの方がスマホタブレットの使用と心の不調が結びついていることがわかった。考えられる説明としては、子供はゲームで遊んだり動画を見たりするが。ティーンエイジャーはSNSを使うからであろう。SNSは私たちの精神状況に影響を及ぼす。常に他人と比較することがストレスになり心に不調をきたす。
  • 体を動かしたことで子供たちはよく学び、態度も落ち着く。以前よりも集中できるようになり、衝動的な行動が減ったという。
  • 脳の大部分はサバンナでの秘技から変わっていないわけだから、体を動かすことであなたや私の集中力は高まる。
  • WHOによれば、現在10人位1人が不安障害を抱えている。興味深いのはよく運動をしている人たちにはそれほど不安が見られないことだ。
  • あらゆる種類の運動が知能に良い効果を与えるということだ。散歩、ヨガ、ランニング、筋トレどれも効果があった。運動によって一番改善されたのは、知能的な処理速度だ。運動をしていると頭の回転も早くなるというわけだ。
  • 脳だけの話をすると、推奨するのはは六ヶ月間に最低52時間体を動かすことだ。これは週に2時間という計算になる。
  • AIの出現により、人間に残される仕事は、おそらく集中力を要するものだ。皮肉なことに、集中力はデジタル社会で最も必要とされるものなのに、そのデジタル社会によって奪われている。
  • スマホがこれまでの技術革命と異なる点は、1日中使ってられる点だ。自動車は1日中使ってられない。なので、便利さの幅も悪影響の幅が膨大になる。
  • 進化の過程で、人間に長く続く幸福感を埋め込む価値を見出さなかった。短期的な幸せを求めて頑張る脳の構造にした。
  • 人間が元気になれるコツがいくつかある。睡眠を優先し、身体をよく動かし、社会的な関係を作り、適度なストレスに自分を晒し、スマホの使用を制限すること。
  • 私たちはデジタルな道具を賢く使わなければならないし、それにはデメリットがあることも理解しておかなくてはいけない。
  • デジタル時代のアドバイス
    • 自分のスマホ利用時間を知る
    • 目覚まし時計と腕時計を買う スマホでなくてもいい機能は、スマホを使わないようにする
    • 毎日1-2k時間スマホをオフる プッシュ通知を全てオフる
    • 人と会っている時はスマホをオフる。
    • あなたがスマホを取り出せば、周りにも伝染する
    • スクリーンタイムを制限し、代わりに別のことをする 大人も子供も仕事や勉強以外でスマホタブレットのスクリーンに費やしていいのは最長で2時間
    • 子供の前では良い見本になる
    • 寝る1時間前はスマホをオフる
    • どんな運動も脳に良い 心拍数を上げる運動がとても良い
    • SNSスマホからアンインストールして、パソコンだけで使う

空気が支配する国 物江 潤

要約

宗教は正義の基準を指し示すものであるが、 宗教色が弱い日本では何が正義の基準を持つのだろうか。 その答えが空気である。周りの人間と同調することで心理的安心感を得られる。 一方で、空気は万能なものではない。その時その場所に限って力を発する事がほとんどである。長い目で見ると、その場の空気を感じ取った上で、自らの正義の基準を強く持つ決断が必要である。 より良い集団のためには、空気に異論を唱えたものを賞賛する空気を創造するのが手段の一つだ。

メモ

  • 空気とは 曖昧な守らなくてはならない掟
  • 諸外国のような明確な掟が少ないから、仕方がなく、何が正しいのか探ることを空気を読むと定義すれば良い
  • 同調せずとも、ペナルティーが課される恐れがないならば、そこに空気は存在しない
  • 外国にも同調圧力はある。もし日本特有の息苦しさがあるとすれば、それはつよい同調を強要されることではなく、何にどれだけ同調すべきなのかが必ずしもわからないことだ。日本的な特徴は、同調圧力が強い事では決してない。
  • もしも、人間より偉い神様がいて、その神様と約束していたら、同調圧力よりも強力な命令が発生する。 神様との約束に反するような同調圧力が生じても、神様の命令を優先するため、同調圧力には従わない。
  • 空気は容易に変更できない。 刻々と変化していく状況に合わせて、臨機応変の対応が求められる中で、変更不能な掟が人々を拘束するリスクは、計り知れない。
  • 日本人は何が正しくて何が正しくないかを判断する基準をあまり持っていない。
  • 批判にさらされたときたとえ反論ができても、火に油を注ぐようなものなので、自分自身の利益を最大化するためには、黙るか謝罪するかを責められる店も異常さを際立たせている
  • 議論のルールを守れるのであれば、レッテル張りは許される。議論のルールを守れないならば、決して推奨はしないものの、レッテルを貼られても仕方がない。
  • 議論のルール
    • 自らの主張は仮説に過ぎないと確信すること
    • 他人の発言権利を奪わないこと
    • どれほど奇妙に思える主張でも理由付けや事実でその良し悪しを判定すること
  • 自分たちが持つ信仰を絶対とし、他の宗教を信じる人々を絶対悪とみなした。その結果、中世のヨーロッパは争いを繰り返した。
  • どちらが善であり正義であるかをめぐる争いは、歴史が示唆するように、不毛な結末を迎えることが大概です
  • 万人の認める公理から出発する数学とは違い、俗世に万人の認める公理はありませんから、論理を展開するためには、自ら出発点を定めることが必要。
  • 数学を知れば、言葉による論理があまりに不完全であることもわかる
  • 空気は決して普遍的なものではなく、その時その場にいるごく1部の人々を拘束する特異なものに過ぎない。外から眺めれば理解し難い偏狭なものであることもよくある。
  • 空気に支配されている最中は、空気の存在に気づけず、空気を過大評価してしまう
  • 対人関係では楕円を作ることが大事。楕円とは2つの中心を持つ縦や横に歪んだ円
  • 空気に抗うような意見が登場した場合には、それほど馬鹿げたものに見えようとも、他の意見よりも尊重すると言う心構えが求められる
  • 仮に慎重に討論がされ、やはり非合理的で馬鹿げた必要であることが判明したとしても、空気に異を唱えた、勇気を褒め讃え、努めて抑制的な批判で応答するべき

最高の飲み方 葉石かおり

要約

適量であればアルコールの健康に対する影響はそれほど高くなく、認知症のリスクも低くなる。適量とは1日1-2合。その他アルコールとの上手な付き合い方を紹介してくれる。とは言え、飲まないのが一番体に良いんだろうな。

抜粋

  • アルコールの95%は小腸で分解される
  • ですから、いかに胃でのアルコール滞在時間を長くし小腸へ送る時間遅くするかが、アルコールの血中濃度を上げないカギになる
  • 飲み会では油を使ったものを先に食べる
  • 刺身にオリーブオイルをかけた魚介類のカルパッチョ、マヨネーズを使ったポテトサラダをまず初めに食べ
  • 唐揚げやポテトフライなども効果が期待できる
  • 乳脂肪分を含むチーズを食べるのも良い
  • 生のキャベツを食べるのも良い
  • 豆山芋オクラといったねばねば系の食材もおすすめ
  • 日本酒のアミノ酸の含有量は他のお酒に比べてダントツで1
  • 1日あたりの適量は日本酒1から2合
  • 食べながら飲み、ほろ酔い程度で杯を置くことが大事
  • 適量であればアルコールの健康に対する影響はそれほど高くない
  • 酒を調べるとあまり飲まない人に比べて年齢以上に脳が萎縮している傾向がある
  • アルコールは脳全体を萎縮させる
  • 飲酒歴が長い人ほど進行が早い
  • 障害の家のアルコールの総量が強く影響していると考えられており、酒を飲めば飲むほど萎縮は早く進む
  • 適量を飲んでいる人は認知症のリスクが最も低くなる
  • 尿は飲酒量の1.5倍出るため、脱水症状になりやすい。
  • アルコール自体にはがないため体重上増加作用は少ない
  • ビール日本酒ワインなどの醸造酒には糖類やタンパク質などが含まれておりそうしたお酒をたくさん摂取するカロリーは当然増える
  • 適量とはアルコールで20から40グラムの範囲に収まることを指す。日本酒に換算すると1から2合
  • 男性は鉄不足になる事はまずない
  • 鉄分が豊富だからどれかを食べるようにしている人もいるがそれは意味がない
  • 指を喉に入れて強引に吐くのは食道を痛める原因となる
  • 吐きたいときは匂いが強いものを嗅ぐ、もしくは水を2から3杯飲み胃に少し刺激を与えて嘔吐を促す
  • 飲酒が大腸がんのリスクを高めるのは確実
  • 40歳を超えたら年に一回大腸がんの検診を受ける
  • 純米大吟醸よりも純米酒の方が肌に良い

あなたが変わるまで、わたしはあきらめない -努力する心の育て方- 井村雅代

要約

スポーツチームのコーチはそして保護者はどういう心構えでいるべきなのかを教えてくれる良書。経験の分だけ大人が子供を言いくるめてしまうのは容易だが、、、本物の褒める、叱る、指導は、十分な観察からしか生まれない。子供は簡単に本音を打ち明けてくれない。その子が力を入れている事は何なのか、ぶつかっている壁はどこなのか正確に分析した上で声がけをしなければ成長には繋がらない。大人のエゴを押し付けていないか、子供に夢を描けさせてあげているのか、コーチの立ち振る舞いは常に見られている。夢を描き日々変わっている姿を見せられる大人でありたいと感じた一冊。

抜粋

  • コーチは駄馬でも名馬にする
  • 自分にしかできないことを一つ一つやれば、絶対、良くなるんです。
  • 例えば、選手が全然うまくならない時があります。そういう時、なんで上手くならならないんだろうと悩みます。でも今日は一つだけ、何かを上手にして帰らそうと思うんです。
  • スポーツの指導者のゴールは、良い人間を作ることなんです。
  • 勝負師の仮面をつけた教育者である。
  • 勝負を通じて教育を論じているのである。生きるとは何か、勝つとは何か、進化するとは何か。
  • ピント外れの一生懸命はなんの役にも立たない。
  • スポーツは明るいエネルギーが出るようにやってほしい。
  • ほら、いるでしょ。子供にかけている自分に惚れ込んでしまって、酔っている指導者が。
  • どこかに冷静な自分がいないとダメなんです。本気になってもその気になるな、ですよ。自分に酔うなって。
  • みんな、わたしのコーチ力を試している。わたしの粘りを試している。わたしのありとあらゆるところを見ている。
  • コーチはわかりやすい指導者であることを心がけています。何も言わない、なんか得体の知れない人を、偉い指導者やと思っている人もいてはるけど、そんなのダメや
  • 指導者はゴールが見えていないとダメ。
  • 頑張ろうほど便利な言葉はないけれど、これほど訳のわからない言葉もない。
  • 多様な人間そのものを面白いと感じる、つまり人間好きでなかったら、人の前に立ったらあかんのや。
  • その子をどないかして上手にしたろという熱意がないから、いつまで立っても、その子は上手になりません。
  • 本気でかからないと人は動かない。
  • 引っ張り役が教師であり、コーチであり、引っ張る人にエネルギーがないとダメ。
  • そもそも全員に賛成してもらおう、全員に愛されようというのは間違いです。
  • 人間って褒められたら、褒められた自分を崩したくないと思って、どうしてもしんどくなる。だから、ダメだと言われて方が楽なんです。
  • 子供は、口では”ほっといてくれ”というけれど、どこかに向上心はあるはずである。よくなりたいと願っている。
  • 反抗期の時には、心と裏腹のことが口から出るのね。”ほっといてくれ”と言うから、ほっといたら、次はほっとけないような悪いことをするんです。
  • 見て見ぬ振りをして黙っていて、”それでええよ”って褒め言葉を一言言うて、済ます方がどんなに簡単か。でも、同じ社会に生きている人間が、その子が良くなる方法をわかっているんだったら、言わないとダメでしょ。
  • 私に言わせれば、満足に見もしないで褒めるのは簡単で、しかも無責任です。
  • 選手を見ることがでいない時、”あっ、ごめん。見てなかったわ”とホンマにいいます。
  • 叱るってエネルギーがいるんです。
  • 口先だけなら、言わんほうがマシです。変に褒めることもしたくない。
  • 最後のところは親には逆らえません。
  • 叱るためには、普段の観察が必要。
  • シンクロで言えば、これ以上練習ができません、もう限界ですという子をよく見て、甘えか本当か、見抜かないといけない。
  • その子のことを普段から観察しておかないと見えないんです。
  • サボる子なのかどうかは、その子が普通の生活をしているときにさりげなく見ておけばわかります。
  • 大事なのは黙って観察することです。
  • 準備や片付けの時に性格が出ます。”この子はとにかく楽したろ、と思っている”とか、”この子はしんどいことでも手を抜かないでやる子だな”とか。
  • 子供を変えていくのが指導者の仕事。
  • よその選手を羨むな。
  • トップ選手もいいけれど、”えっ。この子がここまで伸びるか”と言わすほうが快感かもしれんね。
  • 学校の先生や指導者、お父さんお母さん、みんなゴールが見えていない。ゴールを提示できない。だから子供たちが不安になる。
  • 義務教育だから、自分にとって好きなことにも嫌いなことにも出会う場所なんです。
  • 親の力には勝てない。どれだけ長い間練習しても、これだけしか影響力がないのかって悲しくなる時があります。
  • “大変申し訳ないけれど、子供が良い時は引っ込んでいてください。後ろに下がっていてください。子供が寝た後、お父さんとお母さんでわたしらの子は大した子やと自慢してください”ともいいます。
  • 親には”子供には必ず良い時もあれば、辛い時もあります。辛い時は、子供に辛いのは普通のことなんだよって言うってあげて下さい”とお願いしています。
  • 苦しい時にこそ、親は登場してもらいたい。良い時は離れていて、辛い時に出てきて欲しい。
  • 人間には必ず苦しい時がある。それを乗り越えていくのが人生なんだ。
  • 自信のない子の顔が変わっていくのを見るのが、コーチのやりがい。
  • わたしの指導の幸せは”あっ、わたしもできるやん”と言わすことなんです。
  • 肝は人間づくりです。人間って嫌な事事は避けて通りたい。でも避けて通るんじゃない。隣の子ができたんんだから、あたなもできるということを、経験させることなんです。
  • 親も先生も”夢見る夢子さん”を作って欲しい。そのためには、大人が夢を語らなくてはいけない。
  • 人生って苦しいこともあるけれど。楽しいこともいっぱいあるよと夢を語るんです。
  • 今の大人は、生活に疲れて夢を語っていない。超えなければいけないことはたくさんあるけれど、夢を見続けていれば、少しづつ夢に近づいていくよと語ってほしい。
  • 本心から”夢を言ってごらん。絶対に叶うよ。毎日少しずつ近づいていってごらん”と、本気で口に出せる元気な大人になるのが大事なんです。
  • 親も先生も国も夢を持てば、子供も夢を持ちます。
  • ただ、親や先生は子供に現実も教えて欲しい。うまくいかないことがあることを教えてあげて欲しい。
  • 親の中には、子供に嫌なところは見せずに、守ってやることが大事やと思っている人がいる。でも、それは勘違いです。
  • 子供が歩くとき、道に石があったら、”石があるから気をつけて歩きなさい”といえばいい。なのに、黙ってその意思を取ってしまう親がいる。子供は石があったことすら気がつかない。でも、それは違うと思います。子供には、苦しいことを乗り越えることも教える。平坦な道ばかりが続くわけじゃないですから。
  • そして親は先生は、子供に向かい合うときには、本当にその子のことを考えて、”あなたには可能性が絶対あるんだ”ということを伝えて欲しい。