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スマホ脳 アンデシュハンセン

要約

スマホは脳の報酬系をハッキングし、スマホ中毒に仕向けるよう研究を重ね進化している。スマホの悪影響はブルーライトも当然ながら、SNSや動画のコンテンツも同様である。スマホは便利なものである一方、健康に生活するには適切に距離を置くべきである。スマホの中の世界と目の前の世界、どこに価値のある空間が広がっているのだろうか。デジタル時代に創造された新たな魔物と正しく付き合う強い心が、この時代を幸せに生き抜く術である。

メモ

  • 感情というのは自分を取り巻く環境への感想ではない。周りで何が起きているかに応じて、体の中で起きる現象を脳が反応としてまとめたものだ。
  • ネガティブな感情はボジティブな感情に勝る。人類の歴史の中で、負の感情は脅威に結びつくことが多かった。
  • 強いストレスや心配事があると、それ以外のことを考えられなくなるのはこれが原因だ。
  • 人間は新しいもの、未知のものを探しに行きたいという衝動がしっかり組み込まれた状態で生まれてくる。
  • 報酬システムを激しく作動させるのは、お金、食べ物、セックス、承認、新しい経験のいずれでもなく、それに対する期待だ。
  • 脳にしてみれば、もらえるまでの過程が目当てなのであって、その糧老いというのは、不確かな未来への期待でできている。
  • ドーパミンの最重要課題は、人間に行動する動機を与えることだ。
  • SNSは何か大事な更新がないか、いいねがついていないか確かめたいという欲求を起こさせる。
    • 不確実であればあるほど効果が強い
  • アプリが極力効果的に脳の報酬システムを直撃し、最大限の依存性を実現するために行動科学や脳科学の専門家を雇っている。
  • Facebookのいいね機能を開発した人物でさえ、SNS中毒を怖がっている。
  • ビルゲイツは子供が14歳になるまでスマホは持たせなかった。
  • 常に気が散る人はほぼ確実に脳が最適な状態で動かなくなる。
  • スマホを教室の外に置いた学生の方が、サイレントモードにしてポケットにしまった学生よりも良い結果が出た。
  • スマホの魔力に抗うために脳が全力を尽くしていると、他の作業をするための容量が減る。
  • パソコンでメモを取らせた生徒よりも紙で書いた学生の方が講義の内容を良く理解していた。
  • 記憶するためには集中しなければいけない。
  • マルチタスクというのは理解が悪くなる上に時間もかかる。
  • 美術館で写真を撮っていない作品は良く覚えていたが、写真を撮った作品はそれほど記憶に残っていなかった。
  • 素早いクリックに溢れた世界では、それが忘れ去られている危険性が高い。Webページを次から次へと移動している人は、脳に情報を消化するための時間を与えていない。
  • 会話時に、視界にスマホがあった人たちはあまり楽しくなかったうえに、相手を信用しづらく共感しにくいとも感じていた。
  • 上の結果は、ドーパミンが何に興味を向けるべきかを支持していたのだ、対面の相手ではなくてスマホに。
  • 目の前にスマホを置いていると相手と一緒にいるのが少しつまらなくなるのだ。
  • 熱心にスマホを使う人ほどストレスに問題を抱えている率が高く、鬱状態のあるケースも多かった。
  • スマホを頻繁に取り出して見る人ほどストレスを多く抱えていた。
  • スマホが及ぼす最大の影響はむしろ時間を奪うことで、鬱から身を守るための運動や人付き合い、睡眠を十分に取る時間がなくなることかもしれない。
  • 睡眠不足は人間の機能も低下させる。1日6時間以下の睡眠が10日続くと、24時間起きていたのと同じくらい集中力が低下する。
  • 眠りにつく時間を体に知らせるのはメラトニンというホルモンの働きで、ブルーライトメラトニンの分泌を抑える特殊な効果がある。
  • 人間はブルーライトで元気になってしまう。
  • スマホを寝室に置いている子供の方がそうでない子に比べて1時間も睡眠が短かった。
  • 私たち人間が生き延びるのを助けたのは、食べ物とゴシップだった。
  • 私たちはSNSに1日30分以上もかけている。20歳が80歳になる頃には、人生の五年間をSNSに費やす計算になり、そのうちの3年近くがFacebookに当てられる。
  • セックス、食事、人との交流に反応する領域が、私たちが大好きな話題つまり自分自身のことを話しているときにも活性化する。
  • SNSを熱心に利用している人と安知の方が孤独を感じていることがわかった。
  • 珍しいバカンスや高級グルメの写真に集中砲撃されると、短時間でも人生への満足度が下がる可能性がある。
  • ある期間にSNSに費やした時間が長かった人ほど、その後の数ヶ月間、人生に対する満足度が下がっていたのだ。
  • Facebook上の友達が多い人はみんなに支えてもらっている、人生の満足感もましたと感じている。さらには自信もついた。との研究もある。
  • SNSの使い方が重要で、自分は写真をアップしないし議論にも参加しない消極的なユーザは積極的なユーザーよりも精神状態が悪くなりやすい傾向がある。
  • 社交生活の代わりにSNSを利用する人たちは、精神状況を悪くする。
  • 自己評価が低く自信がない人は、SNSのせいで精神状態が悪くなるリスクを抱えている、自分を他人と比較しがちだからだ。
  • 映画のスクリーンやパソコンのミニターで何かを見ても、他人の考えや気持ちを本能的に理解する生物学的メカニズムに同じだけの影響はない。
  • Facebookの元副社長はインタビューでSNSが人々に与えた影響を悔いていると発言した。私たちが作り出したのは、短絡的なドーパミンを原動力にした、永遠に続くフィードバックのループだ。
  • 10万件以上のニュースを調査したところフェイクニュースの方が多く拡散されていただけでなく、拡散速度も速いことがわかった。
  • SNSを制限する実験を行ったところ、制限したグループは精神状態が改善していた。
  • この研究のポイントは、被験者たちがSNSを完全にオフにしたわけではなく、時間を制限しただけで調子が良くなったことだ。
  • 減らすだけでないく一時的に止めたり完全に止められるならもっと良い効果を得られるだろうと思う。
  • 人生に満足を感じ、ストレスが減り、自分の周りの人たちと顔を合わせる時間が増えたという。
  • 事態の奥にある前頭葉は衝動に歯止めをかけ、報酬を先延ばしすることができるが、成熟するのが一番遅いこともわかっている。25-30際になるまで完全には発達しないのだ。
  • 衝動にブレーキをかける脳内の領域は、ポテトチップスを我慢させるだけではない。スマホを手に取りたいという欲求も我慢させてくれる。
  • 普通に遊ぶ代わりにタブレット端末やスマホを長時間使っている子供は、後々計算や理論科目を学ぶために必要な運動技能を習得できないと警告している。
  • 将来もっと起きなご褒美をもらうために、すぐ飲みら得るご褒美を我慢するのは非常に重要な能力だ。
  • 複数の調査でわかっているのは、よくスマホを使う人の方が衝動的になりやすく、報酬を先延ばしにするのが下手ということだ。だが、それは衝動的な人がスマホをよく使うだけの可能性もある。
  • 3ヶ月スマホを使用した後、一連の使用した後、一連のテストを行い、報酬を先延ばしにするのが前より下手になっているのがわかった。
  • 米国の研究者がある授業で子供達を観察したところ、スマホを持っていない子供の方がよくノートを取っていた。それも、かなり。その子たちの方がよく学んでもいた。
  • 同じ小説をタブレットと紙で読ませる実験の結果、紙の書っ席で読んだグループの方が内容をよく覚えていた、同じ小説を読んだのにだ。
  • 子供も大人もスマホによって学習を妨害されている。
  • スマホを禁止した結果、勉強で苦労していた生徒とたちは特に成績を伸ばした。
  • 毎晩9-11時間眠っている子供の結果が良かった。運動をしている子供も同様であった。
  • 子供たちが能力を発揮するには毎日最低1時間の運動と9ー11時間の睡眠、スマホの使用は1日最長2時間まで。達成できている子供はたったの5%
  • スクリーンの前にいる時間が長いほど不眠になる。
  • SNSやネットサーフィン、YouTubeにゲーム、スクリーンの前にいる時間が長いほど幸せではないと思う率が高い。
  • 調査では、子供よりティーンねージャーの方がスマホタブレットの使用と心の不調が結びついていることがわかった。考えられる説明としては、子供はゲームで遊んだり動画を見たりするが。ティーンエイジャーはSNSを使うからであろう。SNSは私たちの精神状況に影響を及ぼす。常に他人と比較することがストレスになり心に不調をきたす。
  • 体を動かしたことで子供たちはよく学び、態度も落ち着く。以前よりも集中できるようになり、衝動的な行動が減ったという。
  • 脳の大部分はサバンナでの秘技から変わっていないわけだから、体を動かすことであなたや私の集中力は高まる。
  • WHOによれば、現在10人位1人が不安障害を抱えている。興味深いのはよく運動をしている人たちにはそれほど不安が見られないことだ。
  • あらゆる種類の運動が知能に良い効果を与えるということだ。散歩、ヨガ、ランニング、筋トレどれも効果があった。運動によって一番改善されたのは、知能的な処理速度だ。運動をしていると頭の回転も早くなるというわけだ。
  • 脳だけの話をすると、推奨するのはは六ヶ月間に最低52時間体を動かすことだ。これは週に2時間という計算になる。
  • AIの出現により、人間に残される仕事は、おそらく集中力を要するものだ。皮肉なことに、集中力はデジタル社会で最も必要とされるものなのに、そのデジタル社会によって奪われている。
  • スマホがこれまでの技術革命と異なる点は、1日中使ってられる点だ。自動車は1日中使ってられない。なので、便利さの幅も悪影響の幅が膨大になる。
  • 進化の過程で、人間に長く続く幸福感を埋め込む価値を見出さなかった。短期的な幸せを求めて頑張る脳の構造にした。
  • 人間が元気になれるコツがいくつかある。睡眠を優先し、身体をよく動かし、社会的な関係を作り、適度なストレスに自分を晒し、スマホの使用を制限すること。
  • 私たちはデジタルな道具を賢く使わなければならないし、それにはデメリットがあることも理解しておかなくてはいけない。
  • デジタル時代のアドバイス
    • 自分のスマホ利用時間を知る
    • 目覚まし時計と腕時計を買う スマホでなくてもいい機能は、スマホを使わないようにする
    • 毎日1-2k時間スマホをオフる プッシュ通知を全てオフる
    • 人と会っている時はスマホをオフる。
    • あなたがスマホを取り出せば、周りにも伝染する
    • スクリーンタイムを制限し、代わりに別のことをする 大人も子供も仕事や勉強以外でスマホタブレットのスクリーンに費やしていいのは最長で2時間
    • 子供の前では良い見本になる
    • 寝る1時間前はスマホをオフる
    • どんな運動も脳に良い 心拍数を上げる運動がとても良い
    • SNSスマホからアンインストールして、パソコンだけで使う